今更ながら屍鬼を読み終わりました。
無常感と切なさで彩られた群像劇は全てを燃やす業火に消えていきました。
そしてプロローグへと続くわけですね。
気になった順に感想。
敏夫
主人公。
昼夜問わずに走り回って身を粉にしながら、村に襲いかかる災いを食い止めようとした医者。
目的のためならば手段を選ばないという性格はもう一人の主人公、精信と見事なまでに対比
どんどん疲弊していき、なりふり構わず当たり散らす様は読んでて辛かったけども
千鶴をハメるところ(エロいな)は思わずガッツポーズしてしまいそうになった。惚れるっ!
物語の後、いったいどうやって暮らしているんだろうと一番気になった。まさか死んでないよな。
夏野
切なかった。死んだことが最も悔やまれる。
ガキんちょ3人組が独自に屍鬼の正体を暴いて、ここからどうやって敏夫と絡んでいくのかと胸が躍った矢先の襲撃。
SIRENでいう須田恭也キャラなのかと思って一番感情移入してた分、一番滅入ってしまった。
死んだら死んだで起き上がらないかとハラハラ。
屍鬼の存在に気付いていた分、自分が屍鬼になったらさぞ絶望しただろうことが簡単に想像できるので、起き上がらずに死んだままだったのはせめてもの救いか。
昭
夏野の意思を継いで、すごく惜しいところまでいったのに殺されてしまった。
「大人はわかってくれない!信じてくれない!」
大人への怒り、落胆。悲痛な叫びが胸をえぐらえる思いです。
誰か一人でもこの子の言葉に耳を貸して同行してあげれば、もしくは殺されずに済んだのに…。
昭を殺した時点で辰巳は完全に敵と認識したので、まったくもって(好戦的)屍鬼に同情の余地はありません。精静、てめーもだ。
徹・律子・妙
悲劇の象徴。屍鬼でありながら、人であろうとしたモノ。
この3人の葛藤は読んでて涙腺が刺激されること数回。律子のくだりはちょっと水が垂れたかもしれん。
この物語で3人が一番の被害者なのかもしれないと思った。
この3人が美しすぎる光を放つ半面、恵みと正雄のクズっぷりが浮き彫りとなって面白い。こいつらは2度死ぬべきだ。
静信
途中までは敏夫とのコンビで物語を解決へと導くキーマンだったけども、どんどん屍鬼側へ転がり落ちた重罪人。
確かに精信のいってることも頭で理解できるが、心が拒否してしまう。
っていうか最終的に沙子のために人間2人殺してるじゃんっていう。
作中作品『屍鬼』のとおり、屍鬼(人狼?)として生きていくこと自体が精信に与えられた罪なんだろうけどもできることなら死んでほしかった。
元子
すげぇ、この電波女。女ってこええ。
村人
大川父つえぇ。無双じゃん。ドラ息子にトドメをさす時にも躊躇しない。沙子襲撃の時は完全に狂気。
結城。うぜぇ。昭・かおりを邪険に扱った報いを受けろ。
郁美。ヒステリックなババアほど醜いもんはないな。
辰巳。うぜぇ、死ね。
なんだか書いてる中でだれてきた。
とりあえず、次は漫画版屍鬼を読まなければ。
…って精信は坊主じゃねえのかよ!