モラトリアムがさしせまる3月下旬。
真昼間から借りてきたDVDを見てました。
リアル鬼ごっこ
この前、映画を見に行った時にリアル鬼ごっこ2の予告編をやっててちょっと興味をもったので無印の方をレンタルしてきました。
全国の佐藤さんが鬼から逃げるという至極単純な話です。
鬼ごっこというだけあって、主人公やその友達が逃げ回るシーンはなんだかよかったですよ。
ただ、この映画の原作者、および演出家は『ベタ辞典』でも読んで作ったのかというほどのベタ展開。
ちっとも感動しない猪突な父の犠牲。
思い出したかのようにいきなり手を繋いで逃げ出すラブ展開。
見てる人が置いてけぼりの心情変化。
ヒロイズムに酔った友達。
そして、その死。
終始、ニヤニヤしながら見てました。キモッ。
いやいや、まぁここら辺は全然許容範囲内ですよ。
解せないのは理論の破綻。
ネタバレとか気にせずに書いちゃうと、この物語は現実世界と並行世界とで構成されます。
現実世界でノホホンと過ごしていた主人公が、いきなり鬼ごっこの存在する並行世界へと飛ばされてしまいます。
で、現実世界において佐藤さんが続々と死んでいくというニュースが冒頭で流れているんですけども、これは並行世界において鬼ごっこで捕まった全国の佐藤さんが死んでいったこととリンクしてるというオチでした。
つまり、並行世界での死=現実世界での死になるわけですな。
それで、並行世界において主人公の妹が拘束されて(これがエロくてよかった!)、レーザービームで焼き殺されそうになり、また時を同じくして現実世界でも主人公の妹が黒幕に殺されそうになります。
そこに現実世界に戻ってきた主人公が妹を間一髪で助けます。
するとなぜか並行世界での妹も助かります。
ん??
・並行世界での死⇒現実世界での死。
これはわかります。そのせいで現実世界では全国の佐藤さんが不可解な死を遂げているのですから。
・現実世界で助かる⇒並行世界で助かる
これおかしくね?
現実世界で助かったところで、並行世界ではそのままレーザービームで焼き殺されて、その死にリンクして現実世界においても死んじゃうのが筋じゃないの??
なにひとりでに拷問器具の電源が落ちちゃってるのよ。
もうひとつ。
話の最後では、主人公がまた別の並行世界に飛ばされてしまいました。
そこでは貧富の差が極まりすぎてレジスタンスやらが活躍する世界になっているようです。
その世界の妹曰く「並行世界は無限にあるのよ」らしいです。
いやいや、そんじゃ無限にある並行世界のどれか一つでも自分が死んじゃったら、全ての並行世界において死んじゃうじゃないか。
もし、核戦争が起こった並行世界なんかが存在したら、核が落ちた時点で別の並行世界では原因不明の地球人消滅。
なんというリスキーな一蓮托生。
SIRENに続くがっかり映画でした。
あ、でもたまにあるアクションは面白かったですよ。うん。
皆も見てみよ。